毎週六本木で夜遊びする男性(無職)

ちまたでよく目にする「私はこんなふうにして3ヶ月で1億円溜めてストレス人生から解放されました!」的な人が、成功の証拠としてカッコいい外車を買ったとか、家を買ったとか、毎晩豪遊している、というようなことを書いているようだ。何がいいのか全然わからないが、まったくもってけしからん。

しかし、その例に違わず、私も六本木でかなり金をかけて豪遊している。先日はアークヒルズにあるサントリーホールでN響コンサートを聴いてきた。失業以来初めてジャケットに手を通した。ジャケットを着ると無職オーラが半減するから、普段はあまり着ないようにしているのだ。高いのに着ると傷むし。

誘ってくれた友人と6時に待ち合わせたが、まだ時間があるというのでカフェへ。なぜか、おさらばしたはずのスタバになってしまった。あたりに他の安いカフェ、ドトールなど財布と私にやさしいコーヒーショップが見当たらなかったからだ。信念を曲げるのはつらかった(とくに財布に)が、同行者がいるのでしょうがない。ましてや、その同行者がチケットをただでくれるというのだからなおさらだ。

サントリーホールは初めてだったが、立派なコンサートホールだった。燕尾服を来た人がこんなにいるんだと圧倒された。道案内の人から清掃、ではなくて正装しているのだ。クラシックからは縁遠い生活をしているので、こういった雰囲気にはあまり慣れていない。同行者がなぜクラシックに疎い私を誘ったかというと、一緒に行くはずの友人が急にキャンセルしたので、ニートの私なら暇だろうと連絡をくれたのだ。

大正解!

と言いたいところだけど老年性ニートは意外と忙しいんよ。しかしその晩はたまたまあいていたから受けられただけなんだからね!という謎のキャラを発揮して、ありがたくその機会を頂戴することにした。

クラシックコンサートの感想は別の方に譲ることにしておく。ブラームスであまりの快感を覚えて夢の世界に誘われたとだけ書いておこう。クラシックではなくて井上陽水か斉藤由貴のコンサートに行っていたのかもしれない。

コンサートを終えるとそこは雨。激しい雨。
しかし、2人ともギロッポンなんてシャレオツなところに来るのは久方ぶりだから、この機会に六本木ヒルズの毛利庭園で花見をしようと企てたのが失敗だった。「ついでに」なんて思って物事をやろうとすると、得てしてうまくいかないものだ。一意専心を怠るとろくなことがない。

まず、2人とも田舎者だったのが敗因の1つだ。サントリーホールのあるアークヒルズと六本木ヒルズはすぐとなりくらいにあるんじゃないかと思いきや、結構な距離があった。激しい雨の中、傘はさしていたけども、六本木ヒルズにつく頃にはほぼずぶ濡れになっていた。

それから、折からの雨で花見どころではなかった。ひたすら寒い。見ている見物客もまばらで、きれいにライトアップされた桜をほぼ独り占めできたのは良かったのだが。


そんなこんなで、「ウン十年かけてお金を溜めて無職になりました!」な私の六本木での夜遊びは終了した。かかったお金は、

・往復の電車賃:1,000円以上
・スタバのコーヒー:302円

以上だ。私は来る前に家で夕飯は食べていたので、夕食はとらなかった(友人は会場でサンドイッチを食べていた)。かなりお金はかかったけれども、この六本木豪遊には満足だ。また今週も六本木で遊ぶ予定が入っている。そのうち、「僕はこうして仕事をやめ、六本木で遊ぶことを学んだ」という本が書けるようになるかもしれない。


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