住民票と免許証で住所が違う 身分証明書とはなにか

住所がないと日本で生きていくのは大変だ。外国でも大変だろう。ちまたではネットカフェ難民の問題で賑わっているが、一定の住所がないというだけで世間様の信用が得られなかったり、銀行や役所の手続きができなくなったりするのだ。住所があろうがなかろうが人としては変わりがないはずなのに、なぜそんなに人は住所を大切にするのだろうか。私のように住所があったとしても人間的にはどうでもいい人というのがいるのだから、住所がなくても高潔で信用できる人がいてもおかしくはないはずだ。住所とは一体何なんだろうか。現代日本とは、つくづく生きづらい世の中である。

German drivers license - Bain (LOC)

私も先月、いろいろとうまく切り抜けて新住所を見つけ出した。無職になるというのに、まったく幸運だったとしか言いようがない。引っ越しをして、新しい住所というものを手に入れると、いろいろな手続をしなくてはいけない。

身分証明書上の住所はいかにして変更されるか

まず役所に行って転入届を出そうとした。しかし、足りない書類があり(前の市の転出届)、1回では手続きが完了しなかった。非常に残念なことだったが、役所には役所のルールがあるのだから仕方ない。ルールがない役所ほど恐ろしい物はないのだから。

しかし当時の私にはまだ職があったので、健康保険証を持っていた。この健康保険証というのは、写真がついていないにもかかわらず運転免許証と同様に自分の住所を証明する効果があるのだ。しかも、転居した際には、自分で手書きで新しい住所を書き込めばいいだけの簡単お手軽な身分証明証なのである。

その健康保険証に新しい住所を書き込んで、警察署に行って運転免許証の住所を書き換えることができた。また、各種金融機関の住所変更や口座開設も、手書き住所の運転免許証で手続きを済ませることができた。

これなら、私が現住所を「〒100-0001 東京都千代田区千代田1番1号」にすることも簡単にできてしまうのではないか。私が高潔な人物だったから良かったものの、これが悪人だったらどうなっていたことやら、想像するだに恐ろしい。どうせ確認するなら賃貸契約とかも必要書類にすべきなのではないかと思ったが、役所の締め付けを厳しくして自分の首を締めることになりそうなので黙っていた。私は筋よりも実利を取ったことにひどく良心が痛んだ。しかし、私ごときが一人で「住所の確認は賃貸契約にすべきだ!」と高らかに声を上げたところで世の中は全く変わらないだろう。私は自分という人間の小ささにさらに心を痛めた。


問題発生

そして無事書類を揃えて、役所に転入届を出しに行ったところで問題は発生した。

「この住所では登録できません。マンション名を入れなくてはいけないのですが、●●マンションでよろしかったでしょうか?」

「よろしかったでしょうか?」に引っかかった方は、引っかかるところはそこではないと注意喚起したい。このままでは、運転免許証や各種金融機関に届け出た住所と、住民票に掲載される住所が違ってしまうのだ。そこで私はすかさず反論した。

「運転免許証とか、マンション名入れないで書き換えてあるんですけど…」

「お客様に問題がなければ、役所的には問題ありません」

なるほど、これがお役所仕事というものか。ルールに従うことが仕事なのだ。前にも書いたとおり、ルールがない役所ほど怖いものはないと考えているので、それはそれでいいのだが…。

というわけで、今私の手元には、書かれている住所が違う運転免許証と国民健康保険証がある。私は2つの住所を手に入れたのだ。まるで別荘を持っているセレブのようではないか。可能性は1つに限定されるより複数あったほうがいい。

しかし、今回の保険証はきっちりと住所が印刷されていて、今回のような手はもう使えなくなった。やはり、企業健康保険は優遇されていることが判明された。是正を促したい。

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